マイホーム購入は、多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。しかし、その家が「住むだけ」で終わるのか、それとも「将来の資産」として機能するかは、購入時の選択次第です。
この記事では、リセールバリューの高い家を選ぶためのポイントを、データと具体例を交えて徹底解説します。
日本の住宅市場の現実:建物は消耗品、土地が価値を生む
まず、日本の住宅市場について知っておきましょう。日本では建物は年数が経つごとに価値を失い、特に木造住宅では20~25年でほぼゼロになると言われています。一方で、土地は希少性があるため、良い立地に建てられた家は資産価値を保つ可能性が高いです。
リセールバリューが高い家の条件
1. 一等地の土地
• 都心、駅徒歩10分以内の立地。
• 例:東京23区や大阪梅田周辺。
2. 人気のエリア
• 住みたい街ランキング上位の地域。
• 例:吉祥寺、横浜みなとみらい。
3. 良好な住環境
• 日当たり、静けさ、治安、学校の近さ。
4. 人口増加エリア
• 再開発や企業誘致が進む地域。
リセールバリューが低い家の条件
• 駅から遠い、公共交通の利便性が低い。
• 人口減少地域。
• 治安が悪い、騒音が多い場所。
初心者がやりがちな3つの失敗
「家賃を払うよりマイホームを持つ方が得」という意見に飛びついてしまいがちですが、実際には以下のような失敗が起こり得ます。
1. 維持費や修繕費を過小評価
マイホームを持つと、修繕費や税金など、賃貸にはない出費が発生します。
• 例:外壁塗装で50万円~100万円、屋根修繕で20万円以上。
2. 地価が下がる地域を選んでしまう
人口減少や空き家率の増加が進む地方では、家の価値が大きく下がります。
• データ:地方の空き家率は13.6%に達しており、今後さらに増加する見込み(総務省データ)。
3. 流動性を考えない
売却や貸し出しが難しい物件を選ぶと、ライフスタイルの変化に対応できません。
リセールバリューの高い家を選ぶ3つのステップ
初心者でも実践できる具体的な選び方を紹介します。
1. エリア選びに時間をかける
• 人気エリアの住みたい街ランキングをチェックする。
• 地価の過去10年の動向を調べる。
• ツール例:SUUMO、HOME’S、国土交通省の地価公示情報。
2. 築浅中古物件を検討する
新築よりも築浅の中古物件の方が価格が安定しやすい。
• 例:築10年以内のマンションは、新築価格の20%以上安く買えることが多い。
3. 不動産の専門家に相談する
• 地域の不動産会社やコンサルタントにアドバイスをもらう。
• 融資に関しても事前に銀行と相談し、返済計画を明確化。
「家賃 vs マイホーム」どちらが得?実例で考える
以下の具体例でシミュレーションしてみましょう:
前提条件
• 家賃:10万円/月(年間120万円)。
• マイホームローン:8万円/月(年間96万円)。
• マイホーム維持費(修繕費・固定資産税含む):年間30万円。
結果
1. 初年度の総支出:
• 賃貸:120万円
• マイホーム:96万円+30万円=126万円
2. 賃貸は住み替えが柔軟、マイホームは資産として残る可能性がある。
マイホームの方が長期的に資産価値が維持できれば得ですが、立地や維持費次第では逆転します。
リセールバリューを保つためのアフターケア
購入後も、以下の取り組みで家の価値を維持できます。
1. 定期的なメンテナンス
• 外壁や内装を定期的に点検・修繕。
2. 市場の動向をチェック
• 地価や賃貸需要の変化を定期的に確認。
3. 空き家リスクを回避
• 貸し出し需要のあるエリアを選んでおく。
結論:リセールバリューの高い家を選んで未来を守る
リセールバリューの高い家は「住んで良し、売って良し、貸して良し」の3拍子揃った資産です。しかし、それを実現するには、エリア選びや市場調査、専門家のアドバイスが不可欠です。
特に初心者の方は、焦らずに「情報収集→比較検討→専門家の意見を活用」という流れを徹底することで、将来後悔しない選択が可能になります。