こんにちは。今回は2025年7月2日に発表された米ADP雇用統計が、為替相場「ドル円」にどのような影響を与えたのかを解説していきます。
為替トレードをしている方にとって、雇用統計は注目指標のひとつ。今回のADPはまさに「サプライズ」でした。
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📊 まず、ADP雇用統計ってなに?
ADP雇用統計とは、米国の民間企業がどれだけ新たな雇用を生み出したかを示すデータで、毎月第1週の水曜日に発表されます。
※米雇用統計(NFP)の前哨戦として、為替や株式市場では重要視される指標です。
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📉 7月2日発表のADPは“マイナス”という異常事態
• 予想:+98,000人
• 結果:-33,000人
• 前回(5月):+29,000人(下方修正)
なんと、予想プラスから一転してマイナス3万人超の雇用減という結果に。これは約2年ぶりの減少です。
市場関係者の間でも「ここまで悪いとは思わなかった」という声が多く、発表直後から急速に市場が動き始めました。
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💱 ドル円相場はどう動いたのか?
ADPの発表を受けて、為替市場は以下のように反応しました。
📌 ドル売り・円買いが急加速
• 発表前:144円台前半
• 発表後:143円台半ばまで下落
発表直後、米国の景気に対する不安が高まり「利下げ観測」が一気に強まったことで、ドル売り円買いの動きが鮮明に。
さらに、米10年債利回りも下がったため、金利差を意識したトレーダーがドルから円へと資金を移しました。
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🔍 なぜここまで大きく動いたのか?
理由は3つあります。
① 予想との乖離が大きすぎた
たとえ雇用が微増であっても市場は動きますが、今回はプラス予想に対してマイナスの実績。このギャップは「景気の減速シグナル」としてインパクト大でした。
② 利下げ期待が一気に高まった
米FRB(連邦準備制度理事会)は「景気減速」に対して金利を下げることで刺激を与えようとします。
今回のADPを見た市場は、「近いうちに利下げがあるのでは?」と考え始めたため、ドルを売る動きが加速しました。
③ テクニカルと市場心理が重なった
143円台前半には心理的なサポートラインがあり、ADPのネガティブな結果をきっかけに一気にそのラインを割り込んだことで、売り注文が連鎖。相場は一気に下に走る展開になりました。
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📅 今後の注目ポイントは?
7月5日に発表予定の**米雇用統計(NFP)**が、今後の相場を左右するカギになります。
今回のADPの結果がNFPにも表れるなら、ドル円はさらに下落基調に転じる可能性も十分あります。
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✍️ 最後に:ADPは“雰囲気を変える力”がある
ADP雇用統計は、たった1本の数字で市場の空気を変えるパワーがあります。今回のように、予想と大きく乖離したときには、しっかりと相場に影響が出ます。
トレーダーとしては、指標発表時には無理なポジションを取らない、動きを確認してから判断するという姿勢が大切ですね。
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気になる方は、NFPの結果にも注目してみてください。
この記事があなたのFX戦略のヒントになれば嬉しいです!
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※本記事は投資アドバイスを目的としたものではありません。最終的な判断はご自身で行ってください。