投資を始めると、どの銘柄を選ぶか、いつ買うかに悩みがちですが、実は投資の成果の大半は「資産配分(アセットアロケーション)」で決まることをご存知でしょうか?
今回は、見瀬健一氏の著書『お金は寝かせて増やしなさい』をもとに、投資初心者が「長期的に成功するための戦略」について詳しく解説します。
1. 投資成果の90%は「資産配分」で決まる
多くの投資初心者は、「どの銘柄を選ぶか」「いつ売買するか」といった要素に注目しがちです。しかし、複数の研究によると、投資の成果の約90%は「資産配分の決定」によって左右されることが明らかになっています。
例えば、以下のような資産配分を考えたことはありますか?
• 株式(国内・海外)
• 債券(国内・海外)
• 現金や定期預金
資産配分を適切に行うことで、リスクを分散し、安定したリターンを得ることができます。本書では、「資産配分を最優先に考えることが、長期的な投資成功の鍵である」と強調しています。
金融機関が教えたがらない事実
金融機関は、手数料の高い商品を販売することで利益を得ています。そのため、本当に投資家にとって有益な情報(資産配分の重要性など)は、あまり積極的に教えない傾向があります。
個人投資家としては、金融機関の戦略を理解し、手数料の安いインデックスファンドなどを活用することで、効率的に資産を増やすことが可能です。
2. 投資初心者のための「5ステップ」戦略
本書では、初心者が確実に投資を始められる**「5つのステップ」**が紹介されています。これに沿って進めることで、無理なく投資を継続できます。
① 家計を把握する
• 収支を確認し、無理のない投資額を決めることが重要。
• 家計簿をつける必要はなく、銀行口座の残高をチェックするだけでOK。
② 生活費の2年分を貯める
• 突発的なトラブル(失業・病気など)に備え、2年分の生活費を貯蓄。
• 生活防衛資金を確保した上で、余剰資金を投資に回す。
③ 自分のリスク許容度を知る
• 自分がどれだけの損失に耐えられるかを把握する。
• 「夜ぐっすり眠れるか」を基準にリスクを見極める。
④ リスクの範囲内で資産配分を決める
• リスク許容度に応じて、株式・債券の比率を決定。
• 推奨される投資商品:
• 株式: eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
• 債券: 個人向け国債(変動10年)またはネット銀行の定期預金
⑤ あとは積み立てて放置する
• 長期投資の最大のコツは「何もしない」こと。
• 年1回のリバランス(資産配分の調整)だけ行えばOK。
3. 「リバランス」の重要性とは?
リバランスとは、増えすぎた資産を売却し、元の配分に戻す作業のことです。
例えば、以下のような調整が必要になります:
1. 当初の配分(株式50% / 債券50%)
2. 株価上昇後 → 株式70% / 債券30%に
3. リバランス → 株式の20%を売却し、債券を購入
こうした作業を行うことで、リスクを適切にコントロールし、バブル崩壊や暴落に備えることができるのです。
4. 初心者におすすめの証券口座
投資を始める際に、証券口座選びは非常に重要です。本書では、コストが低く初心者に優しい証券会社として、以下の2つが紹介されています。
• SBI証券: 手数料が業界最安クラスで、豊富な投資商品が魅力。
• 楽天証券: 楽天ポイントが使えるなど、日常生活と連携しやすい。
どちらも「新NISA」に対応しており、口座開設も簡単に行えます。
5. 投資系メディアやSNSとの付き合い方
最近では、YouTubeやSNSを活用して投資情報を得る人が増えていますが、情報の取捨選択には注意が必要です。
本書では、投資メディアのバイアスに惑わされないための心構えとして、以下のポイントが紹介されています。
• 「この情報の発信者はどこから利益を得ているか?」を考える。
• 無料の情報ほど疑ってかかる。
• 最終的な判断は自己責任で行う。
例えば、投資系YouTuberの多くは、広告収入やアフィリエイトによる利益を得ています。視聴者にとって有益な情報も多いですが、すべてを鵜呑みにせず、冷静に判断することが重要です。
6. 『お金は寝かせて増やしなさい』の魅力とは?
本書の最大の魅力は、「投資はシンプルでいい」と気づかせてくれる点にあります。
著者自身も、最初は銘柄選びやタイミングを重視していましたが、最終的に「長期的に資産を増やすためには、放置が最強」という結論に至りました。
まとめ:投資を始めるなら「シンプルに、コツコツと」
『お金は寝かせて増やしなさい』を通じて学べるポイントは以下のとおりです。
1. 投資の成果は資産配分で決まる。
2. 家計管理と生活防衛資金の確保が最優先。
3. リスク許容度を理解し、無理のない投資を。
4. 長期的に積み立てるだけでOK。
5. メディアや金融機関のバイアスに惑わされない。
これから投資を始める方は、ぜひ本書を参考にして、焦らずコツコツと資産形成に取り組んでみてください!
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