住宅ローンが不安な人に伝えたい、買う前に見るべき数字
住宅ローンが不安なのは普通です
住宅ローンを組む前って、めちゃくちゃ不安になります。
「本当に払っていけるのか」
「子どもが大きくなったら教育費は足りるのか」
「金利が上がったらどうなるのか」
「自分に何かあったら家族は大丈夫なのか」
家を買うというのは、人生で一番大きな買い物です。
しかも、子育て中の家庭にとっては、住宅ローンだけを見ればいいわけではありません。
保育料、食費、光熱費、車、保険、通信費、教育費、老後資金。
家を買った瞬間から、生活が急に楽になるわけではなく、むしろ毎月の固定費は一気に重くなります。
だからこそ、住宅ローンが不安な人ほど、買う前に見るべき数字があります。
それは、銀行が貸してくれる金額ではありません。
大事なのは、自分の家計が耐えられる金額です。
銀行の「借りられる額」と家庭の「返せる額」は違う
住宅購入でよく出てくるのが、
「年収の何倍まで借りられる」
「返済負担率は何%まで」
「事前審査はいくら通る」
という話です。
もちろん、これらも大事です。
でも、ここだけを見てしまうとかなり危険です。
なぜなら、銀行はあくまで
あなたに貸せるかどうか
を見ています。
一方で、家庭にとって大事なのは
そのローンを払いながら、生活が壊れないか
です。
同じ年収でも、家計の中身は全然違います。
子どもがいる家庭。
車が必要な家庭。
親の介護が近い家庭。
妻が育休中の家庭。
ボーナスに頼っている家庭。
教育費がこれから増える家庭。
こうした事情は、住宅ローンの審査だけでは見えにくいです。
だからこそ、家を買う前には「借りられるか」よりも「払った後に残るか」を見るべきです。
まず見るべき数字①:毎月の手取り収入
最初に見るべき数字は、年収ではありません。
見るべきは、毎月の手取り収入です。
年収600万円と聞くと、それなりに余裕がありそうに感じます。
でも実際には、税金や社会保険料が引かれます。
さらに、ボーナス込みの年収で考えている場合、毎月の手取りは思ったより少なく感じることがあります。
住宅ローンは毎月必ず出ていく固定費です。
だから、まずはボーナスを除いた毎月の手取りで考えるべきです。
たとえば、
- 手取り30万円
- 手取り35万円
- 手取り40万円
このどのゾーンなのかで、組める住宅ローンの安全度は大きく変わります。
特に子育て世代の場合、毎月の手取りから住宅ローンを払ったあとに、生活費・教育費・貯金・投資まで回せるかが重要です。
年収ではなく、毎月の手取り。
ここが最初の数字です。
見るべき数字②:住宅ローン後の固定費合計
次に見るべき数字は、住宅ローン単体ではありません。
大事なのは、住宅ローンを含めた固定費の合計です。
家を買うと、ローン以外にもお金がかかります。
たとえば、
- 固定資産税
- 火災保険
- 地震保険
- 修繕費
- 外構費
- 家電の買い替え
- 水道光熱費
- インターネット代
- 車の維持費
- 保険料
賃貸のときは家賃だけを見ればよかったかもしれません。
でも持ち家になると、見えない固定費が増えます。
住宅ローンが月15万円でも、実際にはそれだけでは済みません。
固定資産税や修繕費を月割りで考えると、実質的な住居費はさらに上がります。
たとえば、
住宅ローン:15万円
固定資産税:月2万円換算
修繕積立:月2万円
火災保険など:月数千円
光熱費増加分:月1万円
こう考えると、住居関連だけで月20万円近くになることもあります。
だから、住宅ローンを見るときは、返済額だけでなく、住居費全体で考える必要があります。
見るべき数字③:生活費を引いた後にいくら残るか
住宅ローンで一番大事なのは、ここです。
払った後にいくら残るか。
これです。
たとえば、毎月の手取りが35万円あったとします。
そこから住宅ローン関連で18万円かかると、残りは17万円です。
この17万円で、
- 食費
- 日用品
- 子ども費
- 医療費
- 交通費
- 通信費
- 保険
- 車
- 娯楽費
- 交際費
- 貯金
- 投資
をまかなう必要があります。
これ、かなり厳しいです。
特に子どもが小さいうちは、急な出費が多いです。
風邪をひく。
服がすぐサイズアウトする。
保育園や学校関係でお金がかかる。
家電が壊れる。
車検が来る。
冠婚葬祭がある。
毎月ピッタリで家計を組んでしまうと、少しの出費で赤字になります。
だから住宅ローンを組む前には、必ず
住宅ローンを払ったあとに、最低いくら残るか
を見ておきたいです。
個人的には、子育て世代なら最低でも毎月5万円以上は余白が欲しいです。
できれば10万円。
この余白がないと、精神的にもかなり苦しくなります。
見るべき数字④:ボーナスなしで払えるか
住宅ローンを考えるとき、ボーナス払いを入れるかどうか迷う人も多いと思います。
ただ、個人的には、できるだけボーナス払いには頼らない方がいいと思っています。
理由はシンプルです。
ボーナスは確実ではないからです。
会社の業績が悪くなるかもしれません。
転職するかもしれません。
病気で働けなくなるかもしれません。
育休や時短勤務で世帯収入が下がるかもしれません。
ボーナスを前提に住宅ローンを組むと、家計の逃げ場がなくなります。
本来、ボーナスは、
- 固定資産税
- 車検
- 家電買い替え
- 旅行
- 教育費
- 生活防衛資金
- 繰り上げ返済
- 投資
などに使える貴重なお金です。
それを最初から住宅ローン返済に組み込んでしまうと、家計の柔軟性が下がります。
住宅ローンは、できれば
毎月の手取りだけで払える金額
にしておく。
これがかなり大事です。
見るべき数字⑤:生活防衛資金が何ヶ月分あるか
家を買う前に必ず確認したいのが、生活防衛資金です。
生活防衛資金とは、何かあったときに生活を守るためのお金です。
目安としては、最低でも生活費の3ヶ月分。
できれば6ヶ月分。
子育て世代なら、個人的には6ヶ月分に近づけたいです。
住宅ローンを組むと、毎月の固定費が重くなります。
その状態で貯金がほとんどないと、かなり危険です。
家電が壊れた。
車検が来た。
子どもの医療費がかかった。
急に収入が下がった。
親の支援が必要になった。
こういうときに、生活防衛資金がないと、すぐにカード払いや借入に頼ることになります。
家を買う前に見るべきなのは、頭金の額だけではありません。
むしろ、頭金を入れすぎて現金がなくなる方が危ない場合もあります。
住宅ローンを組むなら、手元資金はしっかり残しておきたいです。
見るべき数字⑥:金利が上がった場合の返済額
今の住宅ローンで特に不安なのが金利です。
変動金利を選ぶ人は多いですが、今後もずっと低金利が続くとは限りません。
だから、住宅ローンを組む前には、今の返済額だけでなく、金利が上がった場合の返済額も見ておくべきです。
たとえば、
- 金利1.0%の場合
- 金利1.5%の場合
- 金利2.0%の場合
- 金利2.5%の場合
このように、複数パターンで試算しておくと安心です。
特に大事なのは、
金利が上がっても生活が破綻しないか
です。
今の金利でギリギリなら、将来かなり不安です。
住宅ローンは長期戦です。
35年、40年、場合によっては50年近く付き合う可能性もあります。
だからこそ、最初からギリギリで組まない。
少し余白を持っておくことが、家計を守ることにつながります。
見るべき数字⑦:60歳時点のローン残高
若いときに家を買うと、毎月の返済額だけを見がちです。
でも、本当に見ておきたいのは、
60歳時点でローンがどれくらい残っているか
です。
なぜなら、60歳以降は収入が下がる可能性があるからです。
定年延長や再雇用があるとはいえ、今と同じ収入がずっと続くとは限りません。
50歳、55歳、60歳。
このあたりで、
- 子どもの教育費
- 老後資金
- 親の介護
- 自分の健康
- 住宅の修繕費
が重なってくる可能性があります。
そのときに住宅ローンが重すぎると、かなり苦しくなります。
だから、住宅ローンを組む前には、完済年齢だけでなく、60歳時点の残債も確認したいです。
「60歳のときに月いくら返済しているのか」
「そのとき収入はいくらありそうか」
「退職金や貯金に頼らず払えるか」
ここまで見ておくと、住宅ローンの不安はかなり具体的になります。
家を買う前に作りたいシンプルな表
住宅ローンが不安な人は、まずこの表を作るのがおすすめです。

この表を作ると、住宅ローンが「払えるかどうか」がかなり見えます。
大事なのは、理想の数字ではなく、現実の数字で作ることです。
「たぶんこれくらい」ではなく、できれば家計簿や通帳を見ながら作る。
そうすると、買っていい金額と危ない金額が見えてきます。
住宅ローンの不安は、数字にすると小さくなる
住宅ローンの不安は、頭の中で考えているだけだと大きくなります。
でも、数字にすると少し冷静になれます。
不安の正体は、だいたい
見えていないこと
です。
毎月いくら払うのか。
固定費はいくらになるのか。
生活費はいくら必要なのか。
貯金はいくら残せるのか。
金利が上がったらどうなるのか。
60歳時点でどれくらい残るのか。
ここを見える化すれば、必要以上に怖がらなくて済みます。
逆に、数字を見て「これは厳しい」と分かったなら、それも大事な発見です。
買う前に気づけたなら、まだ修正できます。
物件価格を下げる。
借入額を減らす。
固定費を見直す。
共働きの収入を考える。
購入時期を遅らせる。
生活防衛資金を増やす。
家を買う前なら、選択肢はまだあります。
まとめ:見るべきは「夢の家」より「買った後の生活」
家を買うときは、どうしても物件に目がいきます。
立地。
間取り。
日当たり。
駐車場。
外観。
キッチン。
収納。
周辺環境。
もちろん、どれも大事です。
でも、もっと大事なのは、買った後の生活です。
家を買っても、毎月お金に追われる生活になってしまったら、せっかくのマイホームを楽しめません。
住宅ローンが不安な人に伝えたいのは、無理に不安を消そうとしなくていいということです。
不安があるからこそ、ちゃんと数字を見ることができます。
見るべき数字は、借入可能額ではありません。
見るべきなのは、
- 毎月の手取り
- 住宅ローン後の固定費
- 生活費を引いた後に残るお金
- ボーナスなしで払えるか
- 生活防衛資金
- 金利上昇時の返済額
- 60歳時点のローン残高
このあたりです。
住宅ローンは、勢いで組むものではありません。
でも、怖がりすぎて何もできないものでもありません。
大事なのは、数字を見て、自分の家庭に合ったラインを決めること。
家を買う前に、まずは「いくら借りられるか」ではなく、
いくらなら安心して暮らせるか
を考えたいですね。