石油のルールが変わり始めている

UAEがOPECから脱退するというニュースを見て、ふと思った。

もしかすると、これからの時代は「石油を持っている国」が強い時代から、「燃料を作れる国」が強い時代に変わっていくのかもしれない。

これまで原油価格は、OPECやOPECプラスといった産油国の生産調整によって大きく左右されてきた。
中東情勢が悪化すれば原油価格は上がり、日本のような資源を持たない国は、ガソリン代や電気代、物流コストの上昇に苦しめられる。

つまり、日本は長い間、エネルギーの面では「買う側」だった。

UAE脱退は「価格支配力の低下」を意味する

今回のUAEのOPEC脱退は、石油の支配構造が少しずつ揺らぎ始めているようにも見える。

UAEは今後、生産枠に縛られず、自国の判断で原油を増産できるようになる。
これは、OPEC全体の価格支配力が弱まる可能性を示している。

もちろん、すぐに原油価格が安定するとは限らない。
しかし、「産油国がまとまって価格をコントロールする時代」が少しずつ変わっていく可能性はある。

日本にチャンスをもたらす人工石油

ここで注目したいのが、日本の人工石油、つまり合成燃料の可能性だ。

合成燃料は、CO2と水素などを使って人工的に作る燃料である。
もしこれが安く、大量に作れるようになれば、日本は原油を「掘れない国」から、燃料を「作れる国」へ変わる可能性がある。

これはかなり大きい。

なぜなら、合成燃料は既存のガソリン車、飛行機、船、物流インフラを活かせる可能性があるからだ。
電気自動車だけではすべてを置き換えられない分野でも、合成燃料なら今ある仕組みを使いながら脱炭素に近づける。

資源ではなく、技術で勝つ日本

日本には、石油そのものはない。
しかし、化学技術、精製技術、品質管理、製造現場の改善力、そして自動車や船舶などの産業基盤がある。

資源で勝てないなら、技術で勝つ。
これは日本らしい戦い方だと思う。

原油を掘ることはできなくても、燃料を作る技術を持つことができれば、日本の立場は大きく変わる。

まだ課題は多い

もちろん、すぐに日本がエネルギー大国になるわけではない。

合成燃料には、コストの高さや水素の調達、大規模生産の難しさといった課題がある。
まだ実用化には時間がかかる。

だから、「人工石油ができたから日本はすぐ勝つ」という単純な話ではない。
むしろ、2030年代に向けてどれだけ本気で技術を育てられるかが勝負になる。

燃料を作れる国が強くなる

これからの時代、強い国とは、資源を持っている国だけではない。

必要なものを、自分たちの技術で作れる国だ。

原油を持たない日本が、燃料を作る国になる。
それが実現したとき、日本はエネルギー弱者ではなく、技術で世界と戦う国になれるのかもしれない。

UAEのOPEC脱退は、単なる産油国のニュースではない。
日本にとっては、エネルギーの未来を考えるきっかけになるニュースだと思う。