2026年7月末から8月初めにかけて、ドル円相場が大きく動きました。

1ドル=163円台まで進んでいた円安が一転し、短期間で155円台まで円高が進行。

背景にあったのが、日米による協調的な円買い介入です。

今回特に興味深かったのは、単純に「介入で円高になった」ということではありません。

FX投資家が、

「まだ介入は来ないだろう」

そして今度は、

「介入は終わったから、また円安になるだろう」

と考えたところを、2度にわたって裏をかかれたことです。

僕自身もFXをやっていますが、今回の相場を見て改めて感じたのは、

FXでは相場を当てることより、生き残ることの方が大切

ということです。

今回は日米協調介入で何が起きたのかを整理しながら、僕たちサラリーマン投資家が学べることを考えてみます。

163円まで進んだ歴史的な円安

2026年7月30日、ドル円は一時1ドル=163円台まで円安が進みました。

約40年ぶりとなる円安水準です。

当然、市場では為替介入への警戒感が高まっていました。

ところが円安が進んでも、なかなか介入はありません。

さらに7月30〜31日には日銀の金融政策決定会合も予定されていました。

そのため市場では、

「30日に介入する可能性は低いのでは?」

という見方も広がっていたようです。

ここが最初の落とし穴でした。

1回目の誤算「今日は介入しないだろう」

市場参加者の間で「介入はまだない」という雰囲気が広がるなか、ドル買い・円売りのポジションが積み上がっていました。

ところが7月30日夜から円相場が突然急騰します。

163円台まで進んでいたドル円は、翌31日の夜には157円台まで円高に。

わずかな期間に6円近く動いたことになります。

FXでレバレッジをかけてドルを買っていた人にとって、これはかなり強烈な値動きです。

事前に介入を警戒して円買いをしていた人には大きな利益になった一方、

「まだ介入は来ない」

と考えていた投資家の中には、損切りを迫られた人も少なくありませんでした。

しかし、今回の怖さはここで終わりませんでした。

2回目の誤算「介入は終わったから円安に戻る」

一度大きく円高になった後、今度は逆の考えが広がります。

「介入が終わったなら、また円安に戻るのではないか」

確かにこれは一見すると合理的です。

為替介入をしても、日米の金利差など円安の根本的な要因がすぐになくなるわけではありません。

実際、7月31日のニューヨーク市場終了時点では、ドル買い・円売りの建玉が前週比2.5倍の37.3億枚まで膨らんでいました。

多くのFX投資家が「介入後の円安」を狙っていたことが分かります。

ところが週明けの8月3日。

ドル円はさらに下落し、一時155円20銭台まで円高が進みます。

そして日米両政府が協調介入を明らかにしました。

つまり今回のFX投資家は、

「介入前のドル買い」でやられ、「介入後のドル買い」でもやられた。

二重に裏をかかれた格好です。

日米協調介入の本当の効果は「投資家を怖がらせたこと」かもしれない

今回の介入で個人的に面白いと思ったのがここです。

介入によってドル円を163円台から155円台まで押し戻したことはもちろん大きな効果です。

しかし、それ以上に重要なのが投資家心理への影響ではないでしょうか。

一度介入されたら、

「また介入されるかもしれない」

と思います。

さらに今回のように、介入後にも再び急激な円高が起きれば、

「じゃあ、いつドルを買えばいいんだ?」

となります。

実際、介入後はFXの取引量が大きく減っていると報じられています。

これは当局からするとかなり大きな効果です。

円を売れば介入されるかもしれない。

そう市場参加者に思わせるだけでも、円売りを抑える力になるからです。

それでも「円安材料」は消えていない

ただし、ここで注意したいことがあります。

今回の介入だけで円安トレンドが完全に終了したとは言えません。

日本と米国の金利差、日本国内のインフレ、財政政策への不透明感など、これまで円安につながってきた要因は残っています。

実際、介入後も円売り・ドル買いのポジションを持つFX投資家は多いようです。

つまり市場では、

「介入は怖い。でも長期的には円安なのでは?」

という考え方が根強く残っているわけです。

ここが今のドル円の難しいところです。

円安材料はある。

でも、円安になりすぎれば介入が来るかもしれない。

上に行っても怖い。下に行っても値動きが大きい。

FX投資家にとって非常に難しい相場になっています。

サラリーマン投資家が学ぶべきこと

今回の出来事から僕が一番学んだのは、

「介入を当てようとしない」

ということです。

「163円になったから介入する」

「今日は日銀会合だから介入しない」

「一度介入したから、しばらく次はない」

こうした予想は一見もっともらしく聞こえます。

しかし今回、その思惑がことごとく外れました。

そもそも僕たち個人投資家が、政府や当局がいつ動くのかを正確に予想するのは難しいでしょう。

だったら大切なのは、

「介入が来るか?」ではなく、「介入が来ても大丈夫か?」

と考えることだと思います。

「予想が正しい」と「利益が出る」は別物

これはFXをやっていると忘れがちなポイントです。

例えば、

「長期的には円安になる」

という予想が正しかったとします。

今後ドル円が再び160円、163円へ向かう可能性も当然あります。

しかし155円まで下落する途中でロスカットされてしまえば、その後予想通り円安になっても意味がありません。

だから、

相場観が正しい=FXで勝てる

ではありません。

むしろ重要なのは、

自分の予想が一時的に大きく外れても市場に残れること。

今回のような介入相場では、特にこの考え方が重要だと感じます。

サラリーマン投資家は「生き残ること」を優先したい

僕たちサラリーマン投資家には本業があります。

プロのトレーダーのように一日中チャートを見ることはできません。

だからこそ、

ポジションを小さくする。

レバレッジを上げすぎない。

重要な経済指標の前では無理に入らない。

そして何より、

「チャンスを逃してもいい」

くらいの気持ちが必要なのではないでしょうか。

FXでは「今入らないと儲けられない」と思ってしまいがちです。

でも相場は来月も来年もあります。

一度の取引で大きな利益を狙うより、資金を残して次のチャンスを待つ。

僕はその方がサラリーマン投資家には合っていると思います。

まとめ|介入で学んだのは「当てる」より「生き残る」

今回の日米協調介入では、多くのFX投資家が2度にわたって思惑を外されました。

最初は、

「まだ介入しないだろう」

そして次は、

「介入したから、もう大丈夫だろう」

でした。

相場は人間が「こうなるだろう」と思った通りには動いてくれません。

むしろ、多くの人が同じ方向を向いたときほど怖いのかもしれません。

今回の相場を見て、僕が改めて大切だと思ったのは、

「円高になるか、円安になるか」を当てることではなく、「どちらに動いても生き残れるポジションを作ること」です。

FXではチャンスを逃すことより、資金を失って次のチャンスに参加できなくなる方が怖い。

特に為替介入という個人投資家には予測できないプレイヤーが存在する現在のドル円では、

「休むのも投資」

という選択肢を持っておきたいですね!