スマホ平均価格がついに8万円超え!メモリー高騰と円安で「スマホは高級品」の時代へ
スマートフォンの価格上昇が、いよいよ無視できない水準になってきました。
MM総研によると、2026年7月のスマートフォン端末の平均価格は8万1,747円となり、初めて8万円を突破しました。
前年同月と比べても7.5%の上昇です。
少し前まで「スマホに8万円」と聞けば高級機というイメージがありましたが、今ではそれが平均価格になりつつあります。
背景にあるのが、半導体メモリー価格の高騰と円安です。
そして個人的に気になるのは、このスマホ価格上昇が一時的なものではなく、今後さらに続く可能性があることです。
iPhoneの平均価格は11万円超え
今回の調査を見ると、iPhoneとAndroidでは価格にかなり大きな差があります。
iPhoneの平均価格は11万4,234円。
一方、Androidは6万2,612円でした。
その差は約5万円です。
もちろんAndroidにも20万円を超える高級モデルがありますし、iPhoneにも比較的価格を抑えたモデルがあります。
それでも平均すると、Apple製品の価格帯がかなり高くなっていることが分かります。
さらにAppleは2026年7月、日本国内でiPhoneなどを約6〜11%値上げしました。
背景には円安があるとみられています。
つまり現在のスマホ価格は、
「円安による値上げ」+「半導体価格の上昇」
というダブルパンチを受けているわけです。
次のスマホはさらに8〜13%高くなる可能性
さらに気になるのが今後です。
MM総研では、2026年に登場する新型スマートフォンについて、メモリー価格の高騰によって従来モデルより8〜13%程度値上がりする可能性があると予測しています。
仮に現在10万円のスマホが10%値上がりすれば11万円です。
15万円なら16万5,000円。
20万円なら22万円になります。
スマホは毎日使うものなので多少高くても購入する人は多いでしょう。
しかし20万円前後まで上がってくると、「新型だから買う」という感覚では購入しにくくなってきます。
今後はスマホの買い替えサイクルそのものが長くなる可能性もありそうです。
なぜメモリー価格が上がっているのか
今回の価格上昇で重要なのが、DRAMやNANDと呼ばれる半導体メモリーです。
DRAMはスマホの動作に必要なメモリー。
NANDは写真や動画、アプリなどを保存するストレージに使われます。
最近は生成AIの普及によって、データセンター向けの高性能半導体やメモリー需要が急増しています。
半導体メーカーとしても、利益率の高いAI・データセンター向け製品を優先したくなります。
するとスマホやパソコン向けのメモリー供給が逼迫し、価格が上昇しやすくなります。
AIブームというとNVIDIAなどのGPUばかり注目されがちですが、その裏側では大量のメモリーも必要になります。
つまり、
AI需要の拡大 ↓ メモリー需要増加 ↓ 半導体価格上昇 ↓ スマホ・PC価格上昇
という流れです。
AI投資の影響が、巡り巡って私たちのスマホ代にも表れ始めているわけです。
5Gスマホも約8万7,000円まで上昇
5G対応スマホの平均価格も8万7,228円となりました。
4Gスマホと比較すると約3万2,000円高くなっています。
現在販売されている新型スマホの多くは5G対応なので、今後は実質的にこの価格帯がスマホの標準になっていく可能性があります。
「5万円くらいでそこそこ良いスマホを買う」という選択肢は残るでしょうが、最新性能を求めるほど10万円以上が当たり前になってきそうです。
端末だけではなく通信料金まで上昇
問題は端末価格だけではありません。
スマホの月額利用料金も平均4,198円となり、1月の調査から201円上昇しました。
大手通信キャリアによる料金改定などが影響しています。
端末価格は上がる。
通信料金も上がる。
家計にとっては地味に厳しい状況です。
そのため今後は、
・オンライン専用プラン
・サブブランド
・格安SIM
などを利用して通信費を抑える動きがさらに強まりそうです。
スマホ本体の価格をコントロールするのは難しくても、通信料金なら自分で見直すことができます。
スマホ利用時間は週21時間で過去最高
面白いのは、価格が上がっている一方でスマホを使う時間も増えていることです。
スマホの利用時間は週平均1,286分。
約21時間です。
1日あたりにすると約3時間になります。
SNS、YouTube、動画配信サービスだけでなく、最近ではChatGPTをはじめとした生成AIを使った検索や情報収集も増えています。
スマホはもはや電話ではありません。
カメラ、財布、銀行、テレビ、ゲーム機、ナビ、パソコン、AIアシスタント。
これらを全部まとめた生活インフラになっています。
そう考えると、スマホ価格が10万円を超えること自体は不思議ではないのかもしれません。
これからは「何年使うか」が重要になる
スマホが高くなるほど重要になるのが、購入価格ではなく1年あたりのコストだと思います。
例えば12万円のスマホを2年間使えば、
年間6万円。
4年間使えば、
年間3万円です。
本体価格だけを見ると高くても、長く使えば負担は大きく下がります。
最近のiPhoneやAndroidスマホは性能が高く、OSアップデートのサポート期間も長くなっています。
以前のように2年ごとに買い替える必要性はかなり薄くなっています。
今後スマホ価格がさらに上がるのであれば、
「最新モデルを安く買う」より「良いスマホを長く使う」
という考え方の方が合理的になっていきそうです。
投資家目線ではメモリー市場にも注目
今回のニュースは、スマホ利用者だけでなく投資家にとっても興味深い内容です。
スマートフォンの価格上昇の裏側には、AIデータセンターを中心とした半導体需要があります。
AI市場が拡大すればGPUだけでなく、DRAM、NAND、HBMなど大量のメモリーが必要になります。
Samsung Electronics、SK hynix、Micronなど、世界のメモリー企業にとっては追い風になる可能性があります。
一方Appleのようなスマホメーカーにとっては、部品価格上昇はコスト増加要因です。
販売価格に転嫁できれば利益を維持できますが、値上げしすぎれば消費者の買い替えサイクルが長くなるリスクもあります。
「AIが成長するからAI関連株を見る」だけではなく、
AI需要によって誰のコストが増え、誰の利益が増えるのか
まで考えると、投資の見方も少し変わってきます。
まとめ:10万円スマホが普通になる日は近い
スマホの平均価格はついに8万円を突破しました。
そしてメモリー価格の上昇や円安を考えると、今後さらにスマホ価格が上昇する可能性があります。
これからは、
「毎年最新スマホに買い替える」
というスタイルから、
「必要な性能を見極めて長く使う」
時代に変わっていくのかもしれません。
一方で私たちがスマホを利用する時間は過去最高になっています。
高くなっているけれど、生活の中でスマホの重要性も高まっている。
ここが非常に面白いところです。
AI時代が進むほど半導体需要は増え、その影響がスマホ、パソコン、自動車など身近な製品にも波及していきます。
スマホ価格の8万円突破は、単なる値上げのニュースではありません。
AI時代の巨大な半導体争奪戦が、いよいよ私たちの財布にも影響し始めた象徴的なニュース
なのではないでしょうか。