来年、住宅購入を考えている私にとって、正直あまり見たくないニュースが出てきました。笑

日銀の利上げを受け、大手銀行が住宅ローンの変動金利を引き上げます。

2026年9月の最優遇金利は、三菱UFJ銀行が前月から0.25%引き上げて1.195%、三井住友銀行も1.525%になるとのことです。据え置いた銀行もありますが、今後は他行にも金利引き上げが広がる可能性があります。

住宅価格が高いまま、住宅ローン金利まで上がる――。

これから家を買う30〜40代にとって、かなり厳しい環境になってきました。

住宅ローン利用者の約8割が変動金利

現在、住宅ローン利用者の約8割が変動金利を選んでいます。

固定金利より当初の金利が低く、毎月の返済額を抑えやすいことが大きな理由でしょう。

しかし、変動金利は日銀の政策金利の影響を受けやすいため、これまでのような「超低金利がずっと続く」という前提では考えにくくなっています。

変動金利の元利均等返済には、多くの銀行で「5年ルール」や「125%ルール」があります。金利が上がっても返済額がすぐには増えず、見直し後の返済額にも一定の上限を設ける仕組みです。

ただし、これは金利上昇の影響がなくなる制度ではありません。

毎月の返済額が変わらなくても、返済額に占める利息の割合が増え、元金が減りにくくなります。つまり、負担が見えにくいまま将来へ送られているだけともいえます。

なお、こうしたルールの有無や適用条件は金融機関、返済方式によって異なるため、契約前の確認が必要です。三菱UFJ銀行の解説でも、金利上昇時には元金の返済が進みにくくなり、総返済額が増える可能性が説明されています。

0.25%の上昇でも、長期間では大きな差になる

例えば5,000万円を35年、元利均等・ボーナス返済なしで借り、同じ金利が完済まで続いたと仮定すると、毎月返済額の目安は次のようになります。

金利

毎月返済額の目安

0.95%

約14万円

1.20%

約14万6,000円

1.50%

約15万3,000円

2.00%

約16万6,000円

0.95%から1.20%への上昇なら、差は月約6,000円です。

一見すると「それくらいなら大丈夫」と感じるかもしれません。しかし、固定資産税、修繕費、火災保険、教育費、車の維持費なども同時にかかります。

さらに借入額が6,000万、7,000万円と増えれば、金利上昇の影響も比例して大きくなります。

大切なのは、現在の金利で返済できるかではありません。

「金利が1.5%や2%になっても、家族の生活を守りながら返済できるか」を確認することです。

頭金ゼロは本当に危険なのか

住宅価格や生活費が上がる一方で、十分な頭金を準備できない世帯も増えています。

記事によると、30代の住宅購入者では、頭金が物件価格の約1割またはゼロという人が合計67%に上ります。

ただし、頭金ゼロが必ずしも悪いとは思いません。

住宅購入時には、引っ越し費用、家具・家電、登記費用、ローン手数料など、想像以上に現金が必要です。子育て世帯なら、病気や収入減少に備えた生活防衛資金も残しておきたいところです。

頭金を入れ過ぎて手元の現金がなくなるくらいなら、ある程度現金を残す判断には合理性があります。

問題なのは、「頭金ゼロ」そのものではなく、借りられる上限まで借りて、金利上昇に耐える余裕もなくなることです。

50年ローンは毎月安いが、家が安くなるわけではない

住宅価格の高騰を背景に、40年・50年といった超長期ローンへの関心も高まっています。

仮に5,000万円を金利1.2%前後で借りた場合、返済期間35年なら月約14万6,000円ですが、50年なら月約11万1,000円まで下がります。

毎月3万円以上軽くなるため、魅力を感じるのは当然です。

しかし、返済期間を延ばしても住宅価格が安くなるわけではありません。返済期間が長い分、支払う利息は増え、金利上昇のリスクを抱える期間も長くなります。

35歳で50年ローンを組めば、完済は85歳です。

超長期ローンを利用するなら、「50年間かけて返す」のではなく、子どもの独立後や退職金を受け取る前までに、どのように残高を減らすかまで考えておく必要があります。

金利上昇は買う側にとって悪いことばかりではない

今回のニュースは住宅購入予定者にとって嫌な内容ですが、見方を変えるとチャンスになる可能性もあります。

金利が上がれば、同じ年収で借りられる金額は小さくなります。投資目的で不動産を買う人も減り、住宅価格には下落圧力がかかります。

記事では、金利が1%上がると不動産価格に15%の下落圧力がかかるという専門家の分析も紹介されています。ただし、すべての物件が一律に15%下がるわけではありません。

駅に近い物件や需要の強い都心部は価格を維持しやすい一方、郊外や利便性の低い物件では価格調整が進む可能性があります。

これから家を買う人にとっては、金利だけでなく、物件価格が適正かどうかを冷静に見極めることが重要になります。

売り手側の勢いが弱くなれば、価格交渉や条件交渉がしやすくなるかもしれません。

これから家を買う世代が確認したい5つのこと

住宅購入を検討する際は、少なくとも次の点を確認したいと思います。

  1. 金利1.5%、2%でも返済を続けられるか
  2. 固定資産税や修繕費を含めて計算しているか
  3. 購入後も生活防衛資金を残せるか
  4. 50年ローンを「借入額を増やすため」に使っていないか
  5. 将来売却するときにも需要が見込める物件か

銀行が貸してくれる金額と、家計が無理なく返せる金額は同じではありません。

子どもの教育費や老後資金、家族とのレジャーまで削って住宅ローンを返す生活になれば、家を買った意味が薄れてしまいます。

まとめ:家を諦めるのではなく、前提を厳しくする

私自身も来年の住宅購入を考えているため、今回の金利上昇はかなり気になるニュースです。

ただ、これだけで「もう家は買えない」と判断する必要はないと思っています。

変動金利を選ぶなら金利2%でも耐えられる借入額にする。超長期ローンを使うなら、繰り上げ返済や住み替えまで考える。そして住宅価格が調整される可能性も含めて、焦らず物件を選ぶ。

これまでの住宅購入は、「低金利だから早く買った方がいい」という考え方が通用しました。

しかし、これからは「いくら借りられるか」ではなく、「金利が上がっても、どんな暮らしを続けられるか」が重要になります。

嫌なニュースではありますが、自分たちの住宅予算を現実的に見直す良いきっかけにもなりそうです。