長期金利が30年ぶりの3%へ!ドル円と住宅ローンは今後どうなる?
日本の長期金利が、ついに3%の大台へ到達しました。
長期金利の指標となる10年物国債利回りが3%を付けたのは、1996年以来、実に30年ぶりです。
来年、住宅購入を考えている自分にとっては、正直あまりうれしくないニュースです。笑
しかし、今回の金利上昇は住宅ローンだけでなく、ドル円相場や株価、企業の借入コストにも影響します。
今回は、長期金利が3%まで上昇した背景と、ドル円・住宅ローンの今後について、サラリーマン投資家の目線から考えてみます。
なぜ日本の長期金利は3%まで上がったのか?
今回の金利上昇には、大きく3つの理由があります。
1つ目は、日銀の追加利上げ観測です。
7月末に日米両政府が円買い介入に動いて以降、市場では日銀が利上げを進めるとの見方が強まりました。
日銀は9月17~18日に金融政策決定会合を予定しており、市場では9月会合で利上げする確率を9割以上とみています。
さらに、今回だけで利上げが終わるのではなく、今後も段階的に金利を引き上げるとの予想が長期金利を押し上げています。
2つ目は、米国でも利上げ観測が強まっていることです。
FRBのウォーシュ議長はジャクソンホール会議で、インフレが十分に低下しなければ、さらなる対応が必要になるとの考えを示しました。
市場では、利下げではなく利上げも視野に入れた「タカ派的な発言」と受け止められています。
3つ目は、日本の財政悪化に対する不安です。
2027年度予算の概算要求は、過去最大となる143兆円前後に膨らみました。
政府は積極財政を掲げていますが、国の支出が増えれば国債の発行も増える可能性があります。
国債の供給増加や財政悪化を警戒して国債が売られたことも、長期金利上昇の原因になっています。
日本の利上げでドル円は円高になるのか?
一般的には、日銀が利上げをすると円高要因になります。
日本の金利が上がれば日米の金利差が縮まり、金利の低い円を売ってドルを買う動きが弱くなるからです。
しかし、今回は米国にも利上げ観測があります。
- 日銀の利上げは円高要因
- FRBの利上げはドル高・円安要因
- 日本の財政不安は円売り要因
- 政府による為替介入は円高要因
円高材料と円安材料が同時に存在しているため、今後のドル円は非常に予想しにくい状況です。
特に注意したいのは、「日本の金利が上がれば必ず円高になる」とは限らないことです。
日本経済の成長や賃金上昇を背景に金利が上がるのであれば、円高につながりやすくなります。
一方、日本の財政に対する不安から国債が売られ、金利が上昇している場合は、国債と一緒に円も売られる可能性があります。
今後のドル円予想
私の中心シナリオは、年末にかけて1ドル=155~163円程度の幅で、大きく上下する展開です。
日銀が9月に利上げし、その後も追加利上げを続ける姿勢を強く示した場合、一時的に150~155円程度まで円高が進む可能性があります。
反対に、FRBの利上げ観測がさらに強まり、日本の財政不安も意識された場合は、再び163円を超える円安も考えられます。
また、160円台では政府・日銀による為替介入への警戒が強まります。
円安が進んだところで突然介入が行われれば、短時間で数円規模の円高が進む可能性もあります。
そのため、しばらくのドル円は一方向に動くのではなく、155~163円を中心に値動きの激しい相場になると予想しています。
FXでは高値を追いかけるより、ポジションを小さくして急変に備えることが重要だと思います。
長期金利3%で住宅ローンはどうなる?
住宅購入を考えている人にとって、最も気になるのが住宅ローンです。
住宅ローンの固定金利は、長期金利の影響を受けやすいため、今後さらに上昇する可能性があります。
一方、変動金利は主に日銀の政策金利や短期金利の影響を受けます。
そのため、長期金利が3%になったからといって、変動型住宅ローンの金利がすぐに3%になるわけではありません。
ただし、日銀が追加利上げを続ければ、銀行の短期プライムレートなどが引き上げられ、変動金利も段階的に上昇する可能性があります。
つまり、固定金利はすでに長期金利上昇の影響を受けており、変動金利も今後は安心できない状況です。
7,000万円を45年で借りた場合
思い切って、7,000万円を45年間、元利均等・ボーナス返済なしで借りた場合を考えてみます。
毎月の返済額は、おおよそ次のようになります。
金利
毎月の返済額
1.5%
約17万8,000円
2.0%
約19万7,000円
3.0%
約23万6,000円
金利1.5%と3%では、毎月の返済額に約5万8,000円、年間では約69万円もの差が出ます。
総返済額で見ると、金利1.5%では約9,630万円、2%では約1億622万円、3%では約1億2,765万円です。
金利1.5%と3%を比較すると、総返済額には約3,135万円もの差が生じます。
借入額が7,000万円になると、毎月の住宅ローン返済だけで20万円を超える可能性があります。
さらに、住宅を購入すると住宅ローン以外にも費用がかかります。
- 固定資産税
- 火災・地震保険
- 外壁や屋根などの修繕費
- 太陽光発電設備などの維持費
- 家電や給湯器の買い替え
- 駐車場や車の維持費
「今の金利なら返せる」という考え方ではなく、「金利が2~3%まで上がっても生活を維持できるか」という視点で考える必要があります。
7,000万円を借りる場合、銀行から借りられるかどうかだけでなく、金利上昇後の返済額や、住宅ローン以外の支出まで含めて判断しなければなりません。
これから家を買う世代が考えたいこと
私自身も来年の住宅購入を考えています。
今回のニュースを見て、借りられる金額と無理なく返せる金額は違うと、改めて感じました。
住宅ローンを検討する際は、次の点を確認しておきたいと思います。
- 金利が1%上昇した場合の返済額を試算する
- 変動金利だけでなく固定金利も比較する
- 住宅購入後も生活防衛資金を残す
- 固定資産税や修繕費を含めて考える
- 住宅価格ではなく総返済額を見る
- 夫婦どちらかの収入が減っても返せるか確認する
変動金利には、借り入れ当初の返済額を抑えられるメリットがあります。
一方、固定金利には、将来の返済額が変わらない安心があります。
どちらが正解というわけではなく、金利が上がったときに家計がどこまで耐えられるかが重要です。
変動金利を選ぶ場合でも、毎月の返済額との差額を貯蓄しておけば、将来の金利上昇や繰り上げ返済に備えられます。
金利上昇で住宅価格は下がるのか?
住宅ローン金利が上がれば、購入できる金額が下がるため、一般的には住宅価格を押し下げる要因になります。
ただし、東京など人気の高い地域では、土地不足や建築費、人件費の上昇も続いています。
そのため、金利が上がったからといって、住宅価格がすぐに大きく下がるとは限りません。
住宅価格が少し下がっても、ローン金利が上がれば、毎月の返済額や総返済額は増えてしまう可能性があります。
「もう少し待てば家が安くなる」と考えるだけではなく、住宅価格と金利をセットで確認する必要があります。
まとめ
日本の長期金利3%は、「金利のある世界」が本格化したことを象徴する数字だと思います。
ドル円については、日銀の利上げが円高要因になる一方、FRBの利上げや日本の財政不安は円安要因になります。
そのため、しばらくは155~163円程度を中心に、値動きの激しい相場が続くと予想します。
住宅ローンについては、固定金利が先行して上昇し、今後は変動金利にも利上げの影響が広がる可能性があります。
来年家を買いたい自分としては嫌な流れですが、だからこそ「今借りられるか」だけでなく、「金利が上がっても家族の生活を守れるか」を基準に判断したいです。
7,000万円を45年で借りると、金利1.5%でも毎月約17万8,000円、金利3%では約23万6,000円になります。
住宅ローン以外の費用まで考えると、7,000万円という借入額は決して小さくありません。
金利上昇を必要以上に恐れる必要はありません。
しかし、低金利がずっと続くことを前提に、限界まで住宅ローンを組む時代ではなくなったのかもしれません。
住宅価格、金利、毎月の生活費を冷静に比較しながら、家族が無理なく暮らせる住宅購入を目指したいと思います。